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-WF20とワンフェス☆ニジュウ-

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WF☆20に行ってきた・2次会『あげた君に見せてもらったの』

一旦の客出しから約1時間後にスタートした打ち上げ(と称したグダグダトークショー)には引き続き約50人が居残り、ロフトプラスワンのスタッフからも「2次会でこんなに残ってるのっておかしいですよ」とつっこまれるほど(寒河江さん談)の盛況ぶりでありました。システム的に我々来場者が飲み食いすればするだけ出演者のギャラがアップするんだけど、本チャンも150人ぎっしり入ってたことだしきっとペイできてたでしょう。もっともパンフ制作で20万かかったそうですが。

テーブルは小さな2人用から4〜5人用の丸テーブルに、イスも座面の固い丸イスから背もたれ付きのものに交換され見違えるほどゆったりした空間。そして壇上には再び浅井さんと寒河江さんがフライドチキンの皿を手に現れる。
回収されたアンケートを眺めながら「やっぱりディーラーの人が多いですねえ」とか「あ、この人のガレージキットの定義とかなかなか面白いですね」とか「オレはポーション美味いと思いますよ」とか「サデスパー描いてるアホがいますね」とか、ホントにどうでもいい話をグダグダと繰り広げておりました。お疲れさまの乾杯まで30分以上かかったりとか。

そういえば寒河江さんは先日のTVチャンピオン『フィギュア王選手権』で見事優勝してたわけですが第1部から事あるごとにこのネタでいじられっぱなしでした。浅井さんも観てなかったようで詳細についてよく知らなかったらしく、「え、ちょっと待って。萌えフィギュア王選手権で決勝が寒河江弘と東海村原八?それ番組として成立するん?」とかひでえこと言ってました。まあ確かにその通りだなあとは思うけどヽ(`Д´)ノ
それにしたって寒河江さんみたいなリアル系の極北つかまえて今の萌え時流に乗せろってのはなんとも酷な話だよなあ。「俺も最後まで『萌え』言うの外してくれるようスタッフに掛け合うてん!そんでスタッフも『外せるかも知れない』みたいなこと言うててん!」と仰いますが正直いまテレビの人間がA-BOY的キーワードをみすみす外すような真似するとは到底思えませんヽ(`Д´)ノ
んでこの番組中で作られたという堀内正美の似顔フィギュアもこの日の抽選プレゼントの中に入ってた模様。その画像は当選者から譲り受けたという『いかりや対策本部電脳支部』さんのWF☆20記事にあるのでご覧あれ。

ところで決勝で相対した東海村原八さんといえばかの『模型塾』主催者として有名な方ですが(すいません不勉強なもので会場で話を聞くまでその存在すら知りませんでした(つД`))、この『模型塾』受講者あるいは出身者の人が会場にも少なからずいたそうで、空条が陣取ったテーブルに同席した人の中にも1〜2人おられましたよ。

本編以上に脱線を繰り返し(っていうか本筋がそもそもないんだけど)てるうちに魔改造の話になんかもなったりして。
「最近はフィギュアを改造してネットで儲けよう、みたいな本まで出てるみたいですけど」
Σ(゚Д゚)だめーーーー!その青い本は読んじゃだめーーーー!!
思わず浅井さんに向かって叫んじゃった。

空「あれ笑うほど売れてないらしいですよ!ちなみに今度出る裸族たんの『魔改造への招待』はamazon予約ランキングで2位(当時)ですからよろしく!」
浅「マジっすか!すげー!そういえば今日は裸族師匠は来てはらへんのでしょうか?」
ええ…来るかなあと思ってたんですけど手持ちのお金が3ケタしかなくて身動き取れずにいたらしいですよ…(つД`)でも代わりに宣伝はしておいたからね裸族師匠…。

宴たけなわの頃合いを見計らって、壇上から降りて隅のソファで談笑中の伊藤さん達が集まってるあたりにいた寒河江さんに思い切って『翔子』と『How to SATCHIN』持ってアタック。ちょうど10冊ずつぐらい持ってってたので差し入れ代わりに出演者の皆さんに押しつけてしまえ!ヽ(`Д´)ノ

寒「へえー、こういうの描いてはるんですか。(壇上へ)浅井くん浅井くん。これちょっと見てみて」
Σ(゚Д゚)待ってーーーーーーーーーー!!宣伝とかはいいのーーーーーーーーーーー!!

超展開はこれでは終わらない。ちょうど先に壇上へ上がって浅井さんと喋ってたMAXさんの口から恐ろしい言葉が。

「あ、これ知ってるよ。『翔子ちゃん』でしょ?あげた君に見せてもらったの」

(゚д゚)ポカーン

…あげたくん?

っていうとあの…

あげたゆきをセンセーですか!?

なんか奇遇にもちょうど数日前あげたセンセーから「これ面白いから」って見せられたって…。いや確かにWFでも本は売ったしどこかから知れ渡っててもさほどおかしくはないかも知れないけど!

浅「へーえ、知らんのボクだけですかね。
(プロジェクタに映し出しながら)裏表紙は例のアレのパクリなんですね。ボクも今回のパンフの表紙であのパクリやろうかとも思ったんですけどね」
渡「面白いよ。これフィギュア好きじゃなきゃ描けないよ」

…捏造じゃないからな!ホントに言ってくれたんだからな!!裏表紙のネタで会場のウケもそこそこ取れたんだからな!!!
あー…もう思い残すことないっていうか本気で心臓止まるかと思ったよ(つД`)

このあと2次会から参加していた宮川武センセーが半分無理やり壇上に上がらされてましたよ。写真は左から浅井さん、宮川センセー、グッスマ安藝さん、モニタの後ろに寒河江さん。
宮川センセーが2次会からの参加になった理由は別に仕事が忙しかったとかでもなんでもなく
「会場どこだかわかんなくってさぁ〜、ケータイもつながんないからずっと迷ってたの」
あー確かにココ地下だから思いくそ圏外だよねっていうか
Σ(゚Д゚)そこら辺に山ほどいる客引きのおにーちゃんあたりに訊こうよ!オレもよくわかんなかったからすぐそばのロッテリアの店員に訊いたよ!
噂には聞いてたけど宮川センセーすごい天然ってか不覚にも萌えた(つД`)
ちなみに宮川センセーは奥さんと娘さん(ツインテール装備)同伴でした。娘さんスヤスヤ眠ってたけど。

…というわけで、うん。まあ2次会の記事に関してはほとんど魔改造本の話とMAXさんのありがたいお言葉を書き留めときたかっただけなんだけどね。文字に起こすとグダグダ感が余計に増幅されますな。

実はこの日、空条さんは会場一番乗りでした。9時ごろまでマンガ喫茶やカレー屋でヒマを潰してから入口前の階段で待ってたところへ寒河江さんがいらして、そこでしばらくお話なんかもしたんだけど…告知もロクに打ってなかったこんなイベントに人が来るんだろうかと心配でならなかったところへオレの姿を見つけていたく安心されたそうな。こっちとしちゃ夜行バスが7時前着だったからイヤでもそれぐらいの時間になっただけでそんなに感謝されると逆に恐縮しちゃうんだけどね。そんなアレで終了後に逆に握手を求められるというなんだか不思議なことになったり。とても楽しい9時間を送れていくら感謝しても足りない気持ちなのはこっちの方なのに(;´Д`)

そんなこんななせめてもの感謝の証としてこの記事を書き上げてまいったわけですが、少しでも伝わったかしら。文字にしてしまえばその端からニュアンスはどんどんと現実に語られた言葉から乖離していくわけで、良心というかそういったものに照らすなら敢えて口を噤むべきかと葛藤する部分もなきにしもあらずでしたが、それでもこうしてテキストに定着しておかなきゃいけない、そんな価値を感じたからこそでありまして。
これだけのアツさに間近で触れる機会、恐らくもう二度とは訪れないだろうし、むしろ簡単に訪れちゃいけないと思う。『WF☆20』はあくまでも『WF20として現出し得たはずの空間の再現』にこそその存在意義があったんであって、何らかの形で定例化してしまった瞬間に手段は目的と転倒してしまい、同時にいずこからともなく湧き上がる悪意によって必ず歪められるだろうから。軽々しく「またこういう場を設けて欲しいです」なんて言えない。
でも浅井さんはじめ出演者全員が「こういう場を設けて皆さんと喋るっていうのはとても面白い」「また何か一緒にイベントやろうよ」みたいなことをラストに口々に言ってたことから、良くも悪くも淀んでいた模型者の間にこれからは幾ばくかの風通しが生まれるのかなあ、個人的にはそうだといいなあなどと。

あともう一回ぐらい所感の記事を書いてこのカテゴリは終了予定であります。ちょいと立て込んできたので4月中には書けないかも。

カテゴリ:WF20とワンフェス☆ニジュウ, フィギュアとか

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WF☆20に行ってきた・その6『浅井みたいなチンピラが』

※手元のメモを見つつ思い出しながら書いているので、随時修正or追記が入ります。悪しからず。誤記に関してご指摘いただいた読者の方、ありがとうございます。

『リセット』前後、前述の「エヴァバブル」がひとまずの終息を見た頃にガレージキットシーンを「レジンキットやばいんちゃう?」という空気が包んだと浅井氏は当時を振り返る。
チョコエッグなど食玩、またアクションフィギュアに端を発した組み立て済みフィギュア市場の台頭である。
中国生産ラインの技術向上によってガレージキットとクオリティ的に遜色ない完成品が、しかも絶対的な安価でマスプロ流通を始めたことで確かに一般に対するフィギュアやガレージキットの認知度は上がったが、それは所詮は業界の上澄みを掬い取って消費されるだけに過ぎず、逆にガレージキットの需要を食い潰し業界の縮小を招くだけなのでは…といった危惧。この危惧が現実なのか杞憂なのかは未だもって答えは出ていないが、時代の変化に伴う不安がこの時期のWFを覆っていたことは間違いないだろう。

また『リスタート』後のWFをある意味で象徴するアイテムに『ワンダーショウケース(以下WSC)』がある。エヴァバブル以後もなお続く「アイテムセレクトが勝利」の潮流の中で顧みられることなく埋もれてしまいそうな新進かつ良質の造形を応援するとの旗印のもとにスタートしたこの企画。現在着々と増加しているオリジナル作品のディーラーが活動を続けていけるだけの下地作りにWSCが少なからず貢献していることは間違いないだろう。
しかし元々が「版権もののレプリカ」として発祥したガレージキットというジャンルにあって、これら「オリジナルのガレージキット」は果たしてガレージキットと呼べるのだろうかという疑問が、特に古参のディーラーの間で湧き上がるようになる。

こうした思いをよそに金谷氏は「ガレージキットと呼ばれることについての拘りというのはないです」と語る。
この言葉だけを抜き出すのは非常に危険だが、金谷氏にとっては「ピンキーストリート」という商品のカスタマイズ性・自由度の高さ(「ハンパにすることで広がりを持たせるのが狙い」とは金谷氏の弁)が、そのままガレージキットがこれまで歩んできた歴史と合致するものであるという考えの基に活動しているように感じた。与えられた造形をもとに「世界に一つだけの自分のフィギュアを完成させる」点において、ならば確かにピンキーもレジンキットも違いはないのかも知れない。

建築デザイン事務所在籍中、建築物ミニチュア作成で余ったエポパテを使って小さな人形を作っていたのが始まりという金谷氏はその頃の名残で今でも原型製作を基本的にデザインカッター1本で行っているそうだが、その理由というのが
「仕事場でいくつも道具使ってたら仕事してないのバレるじゃないですか。っていうかまあ全然仕事してなかったんですけど」
どの業界でも基本的に何かに対しての先鞭をつける人というのは得てして社会と適合しにくいものなのかも知れない、とか無理に理屈をつけてみたがどうか。どうかって言われても。

それはさておき。
浅井氏はこの完成品市場も含めガレージキット全体が未だに「非常に不安定な地盤の上に成り立っている」ものであること、またそれが「ソフトウェアの発達に頼りっきりでハードウェアの面がまったく進歩していない」現状によるところに非常な危機感を抱いていると言う。平たく言えば低賃金の大陸・東南アジアのマンパワーにのみ依存しシステム構築を怠っている現状に、である。

自らも完成品の製作に携わる浅井氏だが、初回版のレイキャシールについては実験的に中国のラインで複製を依頼したそうだ。結果的に仕上がった製品は「まあ使える。特に問題はない」レベルではあったが、この中国の工場というものが簡単に言えば「指示されたところは指示されたとおりにやるが、指示されていないところはすぐに手を抜く」傾向があり、誰かしらが常時付きっきりでクオリティマネージメントのために貼りつかなければならない。それでも今度はこのマネージメントを行う人間の目がフシアナなら元も子もないわけで、原型師として「まともな頭の持ち主なら不安でやってられない」レベルのものであったというのが正直な感想だったようだ。数字上でのコストパフォーマンスは確かに高いかも知れないがそれ以上に支払う品質面でのリスクが大きすぎるのである。ここについては金谷氏も大いに同意していた。
実際に昨年来の人民元切り上げや政情不安など外的なファクターがこの砂上の楼閣を揺るがせにしており、煽りを受けて中国から日本のラインに切り替えたせいで単価アップを余儀なくされた『WF2006冬』のWSCがいみじくもこれらの脆弱性を露呈した格好だ。

この業界全体の体質を生み出した一環として「未だにレジンから脱却できていない」点もあるようだ。

古い人――敢えてこう呼ばせていただく――がガレージキットとは何かを考える時にどうしても第一義として「レジンであること」を捨てられないのは、「いろんな素材を自分の手で試してきた結果として、原型師が思い描く造形のほぼ100%のレプリカを作り出せるマテリアルが他にないという結論に自力で辿り着き、その上で今もレジンに全幅の信頼を寄せているから」に尽きると思うのだ。多分新しくガレージキットを始めた人々の多くにはこうした実証的な裏付けなどなく「先人がレジンを使っているからガレージキットを作るならレジンでなきゃいけないんだな」程度にしか認識されていないだろう。きっと何の疑問もなく大半は「ただそうしている」のではあるまいか。
それが良い悪いではなく、そうした経緯というかバックボーンを暗黙の了解としすぎたがために今日の手段と目的の転倒が起こっていて、またその事実に対してあまりに無自覚(或いは意図的に目を背け)すぎたことが業界全体を包む閉塞感、どん詰まり感を生み出した理由の一端である点だけは見過ごしてはならないと思うし、浅井氏が抱く危機感も結局はここらへんが出発点なのではと思う。

入場の際、来場者にはガイドブックと一緒にアンケート用紙が手渡され、その設問の一つにはこうあった。

あなたにとってガレージキットとはなんですか?

作る「活動」なのか、複製して売る「商行為」なのか、好きである「情熱」なのか。それともレジンという「素材」が、またはWFやWHFなど「場」が肝要なのか。ディーラー出展経験を持つ来場者の割合が多いこの『WF☆20』ならではのさまざまな回答が得られたようだが、結局のところ統一見解などと言ったものは出てこようはずもない。ただみんなで答えを持ち寄って、それを付き合わせた上でなんとなくの「近似値」を導き出すことも逆に危険である。

近年はblogなどWFを取り上げる媒体が爆発的に増加したこともあり、とりわけWFそのものの動員数が変化してきている。グッドスマイルカンパニーのイベント運営に携わる側として安藝氏は「ちょっと前までは昼を過ぎると一般もディーラーもガラガラだったのに、一昨年頃から閉会まで残る人が急に増えてきた」との感想を抱いたようだ。特にこれについては浅井氏も気付かなかった変化だという。
ディーラーとして一日中ブースに貼りついていることが多くなったため最近の動向の移り変わりに対して図らずも鈍感になってしまっていたのだろうが、こうしてさまざまな視点でのWF像を持ち寄ってみればみるほど如何にWFが多角化してきているかが浮き彫りになっていく。最前線で戦っているエースパイロットは勿論のこと、実は司令部の将軍だって戦況の全てを把握しているわけではないのだ。そんなものが何もかもつぶさに見えている者などきっとこの世には存在しない。ましてや従軍ジャーナリストが戦場を牛耳ることなど有り得ない。

脱線したが、『ガレージキットとは何か』というテーマ。おそらくは来場者の多くがこの疑問をそれぞれの家に持ち帰り、または帰り道で友達と議論してみたのではないだろうか。
ルーツに関わることであるから時にはこの定義をめぐって諍いにもなることもあるかも知れないが、そこにはやはり明確な解答などなく「関わった人の数だけの答え」があるに過ぎないのだろう。
ただ、出演者達の結びの言葉にあったこの部分だけは誰一人として違いはないはずだ。

それは『ワンダーフェスティバルに参加する人はみんな立体造形が好きでたまらないんだ』ということ。その情熱に突き動かされた人々が20年間もの長きに渡ってWFを支えてきたのであり、そしてこれから先を支える情熱の持ち主がロフトプラスワンに集い、語った。最後に並んだMAX氏と金谷氏の目が潤んで見えたのは光の具合ばかりが原因ではないだろう。
なんだか第3部の記事はパネラーの話題より自分の雑感ばかりになってしまったが、それだけ第3部は考えさせられる内容が詰め込まれた2時間だったと思ってもらいたいところ。



最後の挨拶が終わったところで暗転、突如会場に響き渡った音楽はスターウォーズ・帝国軍のテーマ。そしてスクリーンに映し出されたホテルの一室に座しているのは…









海洋堂専務取締役・宮脇修一氏。

場内大爆笑!そして大拍手!
どうやらこの数日前にようやくおさえることのできた映像らしいが…すげえ!オフィシャルじゃないけどちゃんと認められてるよこのイベント!!

実は専務の顔をちゃんと見たのはこの時が初めてだったんだが確かに悪人面っていうかアレだ、典型的な悪代官に賄賂を送る越後屋の顔だ。
でもその口から出てきた言葉は、

自分の不徳によって開催を中止せざるを得なくなったWF20周年記念イベントへの想い。
憧れだったSF大会、の言葉も改めて本人の口からのぼった。
そんな折に浅井氏から聞かされたWF☆20の企画。
「浅井みたいなチンピラがまたオレに噛みついてきやがるんかー、と」場内またしても大爆笑。
憎まれ口とは裏腹に、その顔は優しさに満ちていた。きっと心は「兄ちゃん」に戻って、「ハズレや!!」と笑い飛ばしたあの日の真紀少年の顔を思い出しているんだろう…そう思うとこちらの胸にもこみ上げるものがあった。
最後に浅井氏と寒河江氏あてに贈られたエール。VTRの終わり際には「悪の帝国」の首領を演じているつもりかイスにふんぞり返って見せる。ああ、この人なにもかも納得ずくでこのイベント認めてるよ…もうこの人のこと悪く言う気になれないよ…。

再びの大拍手とともに帝国からのメッセージビデオが終わり、WF閉会時にお馴染みのバグパイプによる『Amazing Grace』が流れて6時間の濃密なトークイベントは無事に終了した。
こうして振り返ってみると本当に凄まじい「アツさ」に包まれた空間だったのだと改めて感じる。だからそのアツさに当てられついでに誤解を恐れずに言いたい。

「ガレージキット業界がこれからどうなろうと知ったことじゃない。俺たちが作ってきた世界だ。俺たちの世代で滅ぶのも本望だ」と心から思っている人。それはそれで構わない。
ただそれならその姿勢について自ら語ることなど決してせず、口を噤んで死ぬまで手だけ動かし続けるのみにして欲しい。
逆にほんの少しでも明日のWFを思う人は妙な意地や体面などかなぐり捨て、たとえ1時間だけでもあの場の「アツさ」に触れるべきだったんじゃないかと思う。
もちろん本物のWF20のメインスタッフとして関わる予定だった方々(「あ」の人を含め)がスジを通すために欠席の道を選んだ事実も評価されて当然である。だからあの場にムッシュBOMEが来て、そして専務がビデオ出演したのはやっぱりものすごいことなのだ。この2人が存在したことでWF☆20は『欠席裁判』の誹りを受けることなく成立できたのだから。


さて。長丁場でお送りしてきたWF☆20ルポですが、実はまだちょっとだけ続くのじゃよ。なにせこの後の打ち上げと称したグダグダトークにも居残ってたもので。あと総括した所感やらなんやらも書きたいし。ってことでもうしばらくお付き合い下さいませヽ(`Д´)ノ

ちなみに第3部の最初にお土産抽選会が開かれました。浅井さん提供のレイキャシール&ヒューキャスト(※注:どちらも部品請求対応用として浅井さんが買い上げた正規品)、「限定品やから値打ちはあるかも知らんけど見本として1カートン送られてきてジャマでしょうがない」『トライガン』ヴァッシュのクリアーバージョン、寒河江さん提供の藤井隆フィギュア紅白出場バージョン(そういえばこれも寒河江さんだった…)ほか押し入れに貯め込んだブツ数点と、自身が塗装・完成させた『ガメラ3』綾奈(前田愛)のフィギュア、そして佐藤てんちょから第1部で紹介されたムッシュBOME作のDAICON?Vの女の子などが抽選で来場者にプレゼントされたんだが…

当たっちゃった。
ねんがんの BOMEキットを てにいれたぞ!
・そう かんけいないね
・ころしてでもうばいとる
・ゆずってくれ たのむ!


な なにをする きさまらー!!

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WF☆20に行ってきた・その5『ガレージキットとは何か』

※手元のメモを見つつ思い出しながら書いているので、随時修正or追記が入ります。悪しからず。誤記に関してご指摘いただいた読者の方、ありがとうございます。

第3部冒頭のメッセージビデオに最初に現れたのはラーメンズ・片桐仁だった。
自身の作品を背後に「あこがれだったWFに遂に参加できました」と語る晴れやかな笑顔。会場で見かけたという話は聞いていたが、自分でディーラー出展してたとは。
この第3部は彼らの世代であるところのいわゆる『リセット後世代』視点のWFが一つのテーマである(ちなみにその他の出演者は第1部には来場してもいたらしいイラストレーター・開田裕治氏、玩具プロデューサー・安斎レオ氏、レプリカント『平八郎に聞け!』でお馴染み松本平八郎氏、カメラマン・伊奈浩太郎氏、怪獣造形師・品田冬樹氏、特撮研究家・聖咲奇氏)。

『リセット』とは通算30回目にあたる2000年夏開催のWF終了時に専務から為されたアナウンスのことである。このリセットの真相について「一番信憑性高いのはやっぱり会場押さえ忘れて苦し紛れに出任せ言うたと思ってるんですけど」と浅井氏は語るが、当時はモデルグラフィックス誌上での


写真の人物による「ヌルい」発言が発端となって非常に無駄で不毛な紛糾を見たようだ。
ギリギリ好意的に取れば確かに彼の発言によってガレージキットディーラー各人の中に問題意識というか自身を省みるきっかけを与えたかも知れない(単に海洋堂がアツさに麻痺してただけだと思うと寒河江氏もフォローする)が、それにしたって海洋堂の事実上のスポークスマンである彼の口から発せられるべき言葉としては甚だ不適当であるし、それをオフィシャルとして認めてしまう海洋堂広報部の体質も問われて当然だろう。
そもそもWFは「造形語る」場であり、「造形語る」場ではないはずなのだが…。

ともあれこの一連の発言によって「自分たちがWFを育ててきた」自負を持つ古くからのディーラーは急速にその熱を喪い、主催が物販だけ目的とするならとWFに対して一気にドライな関係――もっとも参加者と主催者が必要以上にウェットな関係性にあるのもそれはそれで不健全ではあるが、ウェットなイベントの代名詞的存在であるSF大会に当の専務が憧憬を抱いている以上はある意味そちらの方が望ましいのかも知れないとさえ考えてしまう――へと離れていく結果となった。

『リセット』以外にも現在のWFへの流れとして見過ごせないのが96年夏から始まる、いわゆる『エヴァバブル』である。
「エヴァならなんでも売れる」というより「エヴァでなければ売れない」現象、言ってみればこれがそのまま現在にも「アイテムセレクトが全てで造形を見てもらえない」構図、として連綿と続くジレンマの源流とも言える。もともとはマイナーなキャラなどを立体化して持ち寄る場だったはずのWFが、いつしかメジャー作品のメジャーキャラクターグッズ展示即売会に転じてしまっていたわけだ。
このバブル期を経たディーラー、特にフィギュア系ディーラーにとってWFで発表する造形物とは即ち『作家性は二の次、オフィシャルに似せることが第一義』との概念がインプリンティングされているといっても過言ではないだろう。事実ほんの数年前までオリジナルのフィギュアなどまるで見向きもされなかったのだから。

こうした経緯についての見解は実際にその場に身を置いたか否かによって当然ながら温度差が生じる。この温度差がそのまま「リセット前世代」と「リセット後世代」の微妙な温度差になっているのだろう。この『WF☆20』来場者のおよそ半数以上がディーラー参加経験を持っており、その中の更に過半数以上がここ5年以内にディーラー活動をスタートした「リセット後世代」である点に、彼ら自身の中にもこうしたジェネレーションギャップを埋めたい、せめて知識として頭に入れておきたいと積極的に願う人が如何に多いかをそのまま表しているように思うのだ。
残念ながら第2部の最後で帰阪したムッシュBOMEが去り際に残した、こうした新世代のディーラー達のために「自分たちがやるべきだったのにやってこなかったことを浅井くん達がやってくれたのがとても嬉しい」という言葉がとても重く感じた。

しかし浅井氏・寒河江氏も今やベテランの域、こうした新規層のディーラー・一般参加者の目で見たWFの姿がどういったものなのか図りかねても致し方ない。
そこで呼ばれたゲストが現在の完成品市場を一種象徴する存在である大ヒット商品『ピンキーストリート』で有名な金谷ゆうき氏。
ガレージキットと完成品の線引きが非常に曖昧模糊としてきた昨今だが、浅井氏は以前から親交のある金谷氏の活動が実は「非常にガレージキット的なモノ」で、そこには確かに「自分がやりたいことを全て盛り込む」という意志が存在し、その意志の前にはキットや完成品の別はないと語る。

では翻って『ガレージキットとは何か』。
これについて浅井氏と金谷氏は事あるごとに議論を戦わせてきたと言う。
第3部は幾分これまでと趣を異にし、これまで彼らが深夜に電話線を介して語り合ってきた内容の再現となる。
人生の半分をガレージキットと付き合ってきた男と完成品市場にガレージキットの方法論を持ち込んだ男の電話口の舌戦がロフトプラスワンを鳴動させる。

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WF☆20に行ってきた・その4『色は塗られてないんですか』

※手元のメモを見つつ思い出しながら書いているので、随時修正or追記が入ります。悪しからず。誤記に関してご指摘いただいた読者の方、ありがとうございます。

まだ業界全体が大らかだった時代に事実上の終焉をもたらしたのは、現役弁護士を招いてB-CLUB誌上に掲載された記事『版権とはなんぞや?』だった。
この記事掲載の時期を境にB-CLUB誌は未だ版権無法地帯の様相を残すWF、ひいてはそのWFの片棒を担ぐホビージャパンに対するバッシング同然のネガティブキャンペーンを展開する。それまでWFでのバンダイ絡み版権、主にガンダムものへの認可の仲介役にあたっていたB-CLUBが'91年に『ジャパンファンタスティックコンベンション F-CON』を旗揚げしたのも、企業利益の保護というよりむしろ直接的に「WF潰し」にかかるためだったのだろう。事実この動きによりJAF−CONと呼称を改めアマチュアディーラーの参加も可能になった'92年、初めて海洋堂主催で開催されたWFの動員数は前回比で約7割にまで減少しており、以後数年は「ガンダムのガレキを売れるJAF-CON、それ以外のWF」としてディーラー・一般参加者に認識されることとなる。
当時の模型誌を並列して読みかえすと「あ、今はココとココが仲悪くてココとココはちょっと仲直りしたな、って言うのが順番に移動していってた(浅井氏談)」のが見て取れるという。

さて。マックスファクトリー製品で浅井氏が衝撃を受けたとして真っ先に挙げたのが『OVA機甲界ガリアン・鉄の紋章』鉄巨神のソフビキットである。
ソフビキットと言えばワックス原型にメッキをかけて金型を製造する工程の都合上どうしてもモールドやディテールがヌルくなりがちで、レジンキャストに比べて造形的に弱いものであるという当時の認識を180°ひっくり返すクオリティで発表されたそれに浅井氏の目は釘付けになった。
またマックスファクトリーと共同でWAVE(当時のラーク)がL-MAX名義で発表した『完全変形バウンドドッグ』ではソフビキットを謳いながら一部に組み込まれたインジェクション製プラパーツに驚愕し、ガレージキットメーカーもいつの日にかプラモデルを発売できるようになるのではと大いに期待したと語る。
このバウンドドッグは会場内にも購入者がいたようで、「買いましたか!アレ組めたもんじゃないでしょ!」と褒めているのか貶しているのかよくわからない盛り上がり方をしていたのが印象深い。

ちなみに空条が当時のソフビキットと聞いて真っ先に思い出すのは『Superゼビウス・ガンプの謎』3機合体1/48ソルバルウである。たしか'87年ごろ、4800円ぐらいだったと記憶しているが、当時通い詰めていたナムコ直営店に置かれた『NG』誌上で発売予定を知り、『ソルバルウ・ソルグラード・ゼオダレイの3機が合体してガンプミッションに!』との記事にワクワクテカテカし、発売日のショウケースに並んだそれをプラモデル感覚で買ったはいいものの箱を開けるとといきなりアイボリーのソフビの塊がごろごろと現れ、組み立て説明書には「ココのバリをカッターで削ぎ落としてください」と書かれていて途方に暮れたものだ。ソフビといえば怪獣やヒーローもののオモチャとしての認識しかなかったオレに塗装はおろか完成させることさえできるはずもなく…いや一応は組んだのか…どっちみちもう捨てたよなあアレ…。

ところでこの『鉄巨神』に関するエピソードがまた面白い。
とにかくやるならとことん、既存のソフビの概念を吹き飛ばすぐらいのクオリティを出さんと息巻くマックスファクトリーは現在「ワックス(ロウ)原型の上にメッキをコートし、これを加熱することでワックスを溶かし出しセミの抜け殻のように残ったメッキで金型を作る」のではなく「レジン原型の内側を手作業でくりぬいてそのまま複製原型にする」 手法を採っている。原型がレジンそのままであれば当然メッキコートに比べてディテールの再現性は高くなるが、なにしろソフビという材質の都合上かなり薄く内側を削り込んでやらなければならず非常に手間がかかるわけだ。
ここで明らかになったことなのだが、実は『鉄巨神』は後者の方法ではなくまだワックス原型で作られたもので、現在の手法に移ったのは次の『人馬兵』からであったという。つまりあのクオリティは泣きが入るほど何度も何度も工場にダメ出しして得られたワックス原型の限界中の限界だったのである。そして原型をくりぬく手法自体も特にマックスファクトリーが編み出したわけではなく、死ぬほどダメ出しされた工場側が「そこまで言うなら『焼き出し』って方法もあるんだよね…手間がかかるから今はもうどこもやってないけど」とポツリと漏らした、言うなれば『枯れた技術』だったというのだ。また工場側がこれほど追いつめられるまでこの『焼き出し』を切り出さなかったのもワックス代でがっぽり取れる工賃がまるごと消えてしまうからで、要するにカネとナキを秤にかけてナキを取ったがゆえの結果だったのだ。口は出すわ金払いは悪いわ、ロクな客じゃなかったんだなあ…。

閑話休題。そうした『ソフビとしては勿論のことガレージキットとしても異例のクオリティで商業的価値は十二分に持っているとはいえ、じゃあこれは何かと問われればやっぱりガレージキットとしか呼べないかな』という不思議なスタンスにあるように見えたマックスファクトリー製品を当のMAX渡辺氏はどのような志のもと開発していたのかと訊くと、確かに「ガレージキットと言われるモノから脱却したかった」と氏は述懐する。
伊藤氏がガレージキットの定義として挙げる『ある造形物のレプリカ』に賛同するMAX氏の中では、その当時のWFの主役とも言えるキットたちは極端に言ってレジンの塊でしかなく、原型製作者として受け手にはより自分の思い描く理想形に近づけた完成形、それが無理ならせめて半完成状態で届けたいという思いがあったのだろう。そうした意志が働くのであれば確かにガレージキットという言葉自体が哀しいかな、どこかで足枷にもなるのかも知れない。
氏が今もなお『MAX塗り』や『コピックモデラー』開発などに代表される「可能な限り手間を減らして完成させる技法」の追求に余念がないのもうなずける話だ。PGガンダム作例記事の際に「サラリーマンでも作れる」と銘打ったのは、或いはMAX氏を残して模型の世界から遠ざかっていった『まだ見ぬ同世代の同志たち』への存在証明でもあったのだろうか。

このようなMAX氏の考えの前に浅井氏もいきおい饒舌になる。いやもう充分に饒舌なんだがそれはおいといて。

浅井氏自身も「自分にとっては原型のクオリティを3割落としてでも完成品として提供できる状態の方が思い描くゴールに近い」と語る。
『サムライスピリッツ』柳生十兵衛とタムタムを発表、ゲーム雑誌などへの露出も多かったことから女性が購入しに来た際、ごく普通に投げかけられた「あ、色は塗られてないんですか」との質問に、自分がこれまで当たり前として考えもせずにいた部分――いわば版権商品としての不完全さを指摘されたようにも思えたのか――に直面し「できることならこの人にも完成品で届けたいなと思った」のだそうだ。このへんの感覚はレイキャシールを見ていてもなんとなくわかるように「作った物に対する受け手のアンサー」までがあって初めてガレージキットが表現活動として完結するという浅井氏の基本理念とでもいうか、根底にある譲れない部分の直接的な発露なんだろう。勿論このへんのスレショルド(しきい値)はディーラーによって千差万別十人十色であって当然だし、むしろそうであるべきだとさえ個人的には思う。ただしそのスレショルドが試行錯誤の賜物でなく思考停止の結果であるならちょっと哀しい話だな、とも思う空条さんだった。

だからMAX氏も浅井氏も、高品質の完成品を安価で手に入れることのできる現在の状況が「とても幸せ」だと言う。ガレージキット発の完成品が量販店に並ぶ姿も珍しくなくなった今、その流れを楽しんで1人でも多くの人に模型に触れてもらわんと職人的な場所を目指すのも、一方それでも敢えて全てのクオリティを自分自身で管理できるイベント限定キットの市場にこだわり続けるのも、どちらも同じ求道心なわけだ。
続く第3部で浅井氏が漏らした「僕がやってることってよくガレージキットじゃないって言われることがあって、今まで自分ではそんなこと思ってなかったんですけど…今日喋っててわかりました、確かにガレージキットちゃいますわ」という言葉は、逆に彼自身の中に強くあるガレージキットへのこだわりを見せつけてくれたようでとても面白かった。
その姿勢、意地は伊藤氏からの「(クオリティを3割落とすとは)完成品だから手を抜くってこと?」との問いに淀みなく返されたこの回答が如実に語っている。

「違います違います。完成品っていうラインに乗せる以上どうしてもこっちの出したものからクオリティが落ちてしまうってことです。だから3割落ちるってわかってるんなら僕は130パーセントで作って出しますから

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WF☆20に行ってきた・その3『ゴロですから』

※手元のメモを見つつ思い出しながら書いているので、随時修正or追記が入ります。悪しからず。誤記に関してご指摘いただいた読者の方、ありがとうございます。

第1部から若干の休憩を挟み15時すぎにスタートした第2部。その冒頭を飾る『WF20周年おめでとうメッセージビデオ』には、映像製作者である寒河江氏がWF草創期からの顔馴染みや平成ガメラシリーズなど仕事を通して交流を持つ原口智生氏、奥田茂喜氏、竹谷隆之氏が出演、各々のWFへの思い出などメッセージを寄せていた。

暗転が解け、浅井氏と寒河江氏が再登場。このパートではゼネプロから海洋堂主催として引き継がれたWFとその対抗勢力として現れたF-CON(後のJAF-CON)とのしのぎの削りあいの構図、美少女フィギュア時代の到来による来場者・ディーラーの嗜好(志向)の多様化から『リセット』までの流れを追う。

このあたりの時代を語るにあたり、浅井氏の世代(1970年代初頭生まれ)的に外せないトピックとしてコミックボンボンなどが呈示した『スターモデラーをプロデュースし模型シーンを牽引していく』図式がある。この『スターモデラー』とはもちろん、第1部でも名前の挙がった小田雅弘氏・速水仁司氏など作例モデラー兼ライターとしてHJ・ボンボンほか誌上で活躍し、ちびっ子モデラーのカリスマ的役割を担った人物のことである。
しかしこの当時に名を馳せたこれら『スターモデラー』の大部分は数年ほどで誌面から姿を消す。これは私見だが、恐らくはそれと並行してちびっ子モデラー人口も下降線を辿った(どちらかというとコロコロ主導のミニ4駆などにシェアを奪われた)か、もしくはゲームやアニメなどその他の娯楽に興味を移していったと思われる。

そんな中、彼らスターモデラーの中では「異様」もしくは「異常」と呼んでも差し支えない活動を起こした人物がいる。ある者は大学卒業〜就職とともに模型活動を終え、またある者は模型メーカーに入ることで技術を活かす道を選び…と表舞台からは退いていくのに対して、自らの名を冠した造形集団を興し更なるガレージキット研鑽に立ち向かうという茨の道以外のなんでもないような進路を切り拓く覚悟を決めた男。マックスファクトリー代表・MAX渡辺氏である。

第2部はこのMAX渡辺氏ともう一人、彼らスターモデラー/ライター達を使う立場でここの時代を生きてきた人物である前ホビージャパン編集長・伊藤克仁氏、そしてたぶん第2部じゃなく第3部のゲストとして紹介されるべきだったグッドスマイルカンパニー代表・安藝(あき)貴範氏をゲストに招いて語られる。
「アニメ・ゲーム・声優まで幅広くプロデュースするマルチメディアプランナー」と横溢せんばかりの胡散臭さをプロフィールに持つ安藝氏はかの黒歴史『キラメロ』の仕掛人だったり、SSの隠れた名作『クオヴァディス』シリーズを発表し2年ほどで跡形もなく消え去ったグラムスに在籍していたりもしたという、自他共に認める業界ゴロ
第1部のアマチュアリズムがそのまま一大業界を作り上げたような美談とはうって変わったきな臭いステージになりそうな予感に一抹の不安を覚えたのは空条だけではあるまい。

最初にMAX氏が「あのころ模型ライターで食ってけると思ってるやつなんて一人もいなかった」と当時を振り返る。
『ホビージャパンEX』エルガイムのムック制作のため家賃7000円ほどのアパートにみんなで詰めて延々作業を続け、なんとか無事に本も発行、ギャラとして十数万円ほどのまとまったお金を頂戴したところでふと我に返り

M「ちょっと時給に換算してみたんだよね。そしたらきれーいに100円って出たの(場内大爆笑)」

そのころ3つほど掛け持ちしていたバイトの中の1つ、水泳の指導教官で時給1500円が支払われていた時代のことだ。そうした「食えない」現実に絶望してドロップアウトしたりまたはMAX氏のようにモデルグラフィックスに流出していく後ろ姿をリアルタイムで眺めていた伊藤氏はさぞかし耳の痛い話であったろう(何しろそれから約10年を経て今度は電撃ホビーマガジンへの人材流出を余儀なくされているんだから)し、思わずMG誌上でHJ叩きをやっちゃったMAX氏の気持ちも酌んであげるべきなのかも知れないとさえ…

MAX「(他人事のような顔で)あーーーーーーー……そう…だったっけ…?」

うん。酌まなくていいや

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