WF2010winterルポ・Part4&裸族作品展

Part4。これでラストだよー。
しかし今回は今までのようにまともに活動してるディーラーのブロックと中古屋ブロックみたいな区分けがなくなってディーラースペースがAからDまで満遍なく分布してたのでやたら歩く距離が長くなったなあ。
あと東方が更に増加した印象。全スルーを決め込んでなかったら写真はあと3割ぐらい増えたかも。
では最後のルポおつきあいくださいましな。

『アセトン』では「さらば和風堂!」の文字とともに八雲版アマガミフィギュアの展示が。
…って和風堂つぶれるの?

絢辻さん、梨穂子、薫。
眼が白くなる基準がよくわからんぞ。

七咲、ラブリー先輩、紗江ちゃん、美也。
七咲の片目はそのまま立体にするとちょっと怖いよ!

世のカレシ達にとっては最重要アイテムとなったであろう『Reply From…』リンコ。
うちのカノジョはマナカだけだからね(12月からこっち起動していないROMを眺めながら)。

『卓球模型』の新作は『咲』はじめちゃん。
うん!変態のyr?さんがあのポルノ衣装に目をつけないはずがないよね!

いやほんと何考えてんだこの衣装。けしくりからんなあ(はいてないアングルを嬉々として探しながら)。

『ALUCARD』オネアミス水軍ジェットとリマダ空軍ジェット。
ついこないだBDで買いなおしたところだったんで個人的にタイムリーなんじゃよねー。

『F-Face』MMS用パーツ・ブルーラインver.2。
浅井さんが率先して盛り上げ続けている効果もあってか神姫用のカスタムパーツもジャンルとして確立してきたね。
そんな頑張りやさんにちょっと早いけどチョコあげたよ。
殴られたよ。

『ミリメートルモデリング』完成品として発売予定のセイバーオルタ・メイドバージョンのキット版。

前のメイドセイバー以上に仕事してません。むしろこの佇まいは職場放棄の域に達してる。

『アップラーク』では昨年8月に37歳の若さで亡くなったブラックサバスこと黒岩亮さんの追悼展示が行われてました。
勉強不足のためこの展示を見るまで名前は知りませんでしたが、ワンピース・キン肉マンにグレンラガンと「あ、アレもこの人だったのか」と思うような印象的な造形も数多く。
…どうしてこの業界にはこうも生き急ぐ人が多いのかとしんみり。

『カラーねん堂』ガチャサイズのSDイデオン重機動メカ。

ソロシップとイデオン。ちっちゃくても波動ガンのディテールに本気を感じます。

ガンガ・ルブとジグ・マック。
記号として押さえておいて欲しいディテールの取りこぼしがなく、それでいてSDのフォルムを両立させてるのは地味ながらいい仕事だと思うます。

ザンザ・ルブ。
アオシマのキットだとろくに自立しないんだよね…。

『ぐりむろっく!』完成品として発売予定のブラック★ロックシューターのキット版。
武器がロックキャノンから刀に変更されてます。

背後の床と視線の先、両方の空間を想像させるダイナミックな作品。
ねこのひとシリーズも含めてかわにしさんはどちらかというとグラビア的な作品が多かったと思うんだけど、サムライガールといい「時間」の切り取りに目覚めはじめたのかしら。
今後もまだまだ期待大。

『あらあらこまった堂』、レ・ミゼラブルの有名な絵をモチーフに。
もともとは習作のようなレリーフ状のラク造形だったのがfgで思いのほか好評を博し、あれよあれよと新作ラインナップに。
絶望しているような怯えているような表情が絶妙に立体として解決されてます。

『h-unit』では青本の『ガレキに華を』からガレキちゃんが!
タイムオーバーで原型直塗りだそうで、次回に向けてもっと作り込みたいと言ってくださってるらしいです。

設定上は頭の四角いのは湯口なんだけど、やっぱり複製するにあたってはこの湯口の上にホントの湯口がつくんだろうか。

…と、ひとまずこれにてアマチュアディーラーのルポはおしまい。

今回のWFは会場の面積・出展ディーラー数とも過去最大規模とのことでしたが、ディーラー数が増えたのは単純に「1ディーラーあたりの版権申請可能アイテムを5に制限」という誰が得するのかよくわからない縛りが設けられたせいで多くのディーラーが多重申し込みをせざるを得なかったからと見て間違いないでしょう。つまり実質的なディーラー数はほぼ横這い。

過去と比べてもずいぶん整然とした一般入場。
開場後10分間のホール間移動制限。
通路の拡幅。
ディーラースペースの分散・分断。
トータルとして「規模の拡大」と言うよりも「エントロピーの増大」の印象が強いWFでした。
これまでの密度を保ったままエントロピーだけが増大しているならよかったんですが、広くなった通路とディーラーの分散、そしてなによりも前述の版権アイテム数制限によって卓上の熱量は相当に希釈されてしまいました。

ただ、買ってまわる側にとっては夏同様に非常に買いやすいイベントであったのも事実。ほんの2年ほど前、「WFは新作を確認する場、本気で買いに行くのは有明のWHFやホビコン」みたいな図式が暗黙のうちに成立していた頃とは明らかに状況が変化していると感じます。なにしろ始発で来れば(よほど販売数が少なくないかぎり)まず確実に第一希望のアイテムは手に入るんだから。
しかしながらそれもふたたびアイテム数制限のせいで、分断されてしまったディーラースペースの各々に欲しいアイテムが泣き別れしてしまった人にとってはたまったもんじゃないでしょう。上限の5という数字そのものもどこから出て来たかよくわからないし、この謎の制限だけは一刻も早く撤回してもらいたいところです。
運営側にしてみれば「せっかく事務処理してやってるのに落とす奴がいるからだ」ってなもんでしょうが、そこはイベンターとして泣かなきゃしょうがない、癇癪起こしてもはじまらないと思うんですよ。
もっとこう何か、買う側も売る側もハッピーになれるような方法があるんじゃないのかなあ。

さて。今回のWFでは昨年9月に亡くなった裸族たんの作品展示をアダルトゾーンの一角で行っていました。
佐藤てんちょやフィギュアマニアックスの担当さんを筆頭に親交の深かった有志によって催されたんですが、空条もほんの少しだけお手伝いしてきました。

一般入場後ひととおり目当てのキットを買ってブースへ向かうと…

まだ10時台なのにこの人だかり!賑わいはじめるのは昼をまわってからだろうとブースを回していた人員の誰もが思ってたところ、開場直後からなんとも嬉しい誤算でした。
写真奥の机では裸族たんのコレクションの一部を放出販売してましたが、「妙な転売屋に目をつけられることなく本当に欲しい人に行き渡っているみたいでとても安心した」とは佐藤てんちょの弁。
段ボール20箱ほどもあったコレクションは3時頃にはすべて引き取られ、売り上げは全てご家族に引き渡されました(蛇足ですが展示費用は全て有志の供託金で賄ってます)。

でもね…取説だけ抜かれてたりパーツ全部ランナーから切り離された状態のガンプラとかの「さすがに売り物にならないブツ」がまだ貸倉庫一つぶんもあるんだぜ…?
っていうかいわゆる「買うだけ買って積んでる」キットがほとんどないのに驚きます。

お昼直前の記帳コーナーのボード。11時前から12時半ごろまで空条が主に手伝ってたのがこの一角でした。
記帳してくださった方には記念品としていぬいぬ&たこたこのイラスト入りカンバッヂ(佐藤てんちょが夜なべして200個用意しました)を進呈。 
この状態から閉会までメッセージは増え続け、最終的には総数150ほどに!
リアルでのお友達はもちろん2chや模型裏で親しんでいた人、フィギュマニ読者などなど、皆さんそれぞれに心のこもったメッセージを残してくださいました。

裸族たんのご家族も一緒に手伝っておられたんですが、途切れることなく訪れる人垣に驚きと喜びを隠せない様子。
いや驚いたのはご家族だけじゃないです。彼が多くの人に愛されていたという確信はあったけれど、正直ここまで支持されていたとは誰も思ってませんでした。

いつまでも人が途切れない中をあまりバシャバシャ撮ってもと思い撮影はあんまりしてません。なんかもうこの雛壇の前に立つと胸がいっぱいで。
若葉模型に展示されていたキットも一緒に並んでました。
版権の都合から魔改造作品の殆どが実物展示できなかった(宮川先生のお友達の写真家さん撮影のアルバムにて補完)のは心残りですが、それでもたくさんの人に見てもらえて裸族たんも きっと喜んでることでしょう。

フェイ=イェン・ザ・マカイザー。
「いいのかい?俺はバーチャロイドだって剥いちまう男だぜ?」という、裸族なる人物を象徴する作品だと思ってます。

眠眠ちゃん。
追悼コンペに出品したスク水綾波についてこの会場でもいくつかお褒めの言葉をいただきましたが、この眠眠ちゃんの作例がなければ生まれ得なかったという点で自分にとっては非常に意味のある作品です。

今でもそのままになっている裸族たんの作業部屋写真と作業机の再現。
手前に写っている設定画は入院中も作っていたマシーネンのキットのカラーリングプラン。退院したらこれを元に塗装するつもりだったんだと思うととてつもなく切なくなります。義務感や使命感じゃなく、本当に純粋な情熱を原動力に手を動かしていたんだと思い知らされる情景。

お手伝いの合間に裸族たんの妹さんやお母さんとお話しすることができ、生前のエピソードもいろいろと伺うことができました。
展示されていた本人の顔写真はずいぶん前に一時退院した際に撮影したものだったのでまだ自分の記憶と一致するんですが、亡くなる直前は相当に痩せていたようで、彫りの深さもあって「痩せてみたらなにこの平井堅!?と思うぐらいイケメンでムカついた(妹さん談)」とか。

サイトについては近日中に正式に相続手続きを行う予定とのことでした。その際にアーカイブはあくまでも最後の状態を維持するつもりで、今後の更新はない旨のみ書き加えるかも、と。

顔写真の公開に関しては最後まで迷ったそうですが、裸族たん自身WFをはじめとするイベントが大好きだったこと、そんな彼なら今日もこの会場に来ているに違いないと考え、生前に交流のあった人にも顔を思い出して欲しいとの思いから公開することにしたそうです。ただ本名の公開は本人も望んでいないだろうという結論から伏せる方向となりました。かく言う自分も裸族たんの勤め先から葬儀が終わった旨のお手紙をいただくまで苗字しか知らなかったし、どっちみち本名を知ったところで裸族たんは裸族たんだからね。
そういったわけで、このルポを読んだ人の中でご自分のサイトやblogなどで顔写真を撮影した画像を公開している人がいらっしゃいましたら、どうかご遺族のこうした気持ちを最大限に汲んだ配慮をして頂けるとありがたく思います。

お二人とも今回の企画を通して裸族たんがどれだけ幸せな人生を全うしていたかの片鱗に触れることができたなら、企画の一端に加わった者としてとても嬉しいです。
お母さんには「本当に愛され慕われていたのは間違いない。どうか息子さんを誇りに思って欲しい」と伝えておきました。

自分としては正直なところ、まだ裸族たんがいなくなったことにイマイチ実感がありません。
生前から掲示板のスレッドでも現れて欲しいタイミングで必ず現れ、荒れていれば和ませ、ネタが足りなければ燃料を投下し、風のように去っていく電子の妖精のような存在だったからかもしれません。
実感こそ伴っていないけれど、それでもこうした場を設け見知った人はもちろん初対面の人とも彼について言葉を交わし合うことで、ゆるゆると何かがほぐれていく感じはあります。片手でも足りるほどの面識しかなかった自分のような者でもこの企画の末席に携われたことはこの上ない喜びであり、名誉なことだと思ってます。

本当にありがとう裸族たん。出会えてよかった。

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