絵が上手くなった気になれる本を読んだので絵が上手くなった気になって絵を描いた

Twitterでも話題の押山清高『作画添削教室 神技作画シリーズ』を読んでいたく感動しましたよ。元々本人のTwitterでフォロワーから送られてきた絵の添削を一冊にまとめた本なんだけど、ごちゃごちゃ喋る前にまずは本書収録の添削ツイートを2~3点ご覧いただきたい。

「大人と子供のサイズ差があった方が対比で子供らしさがきわだちます」
「なんかもうじゅうぶんうまいですね」「フォルムをオーバーにしてはどうでしょう」
「体と含めて服も細く描くよりは、体は細いけど、服は少しあまってるくらいに描いた方がメリハリが出て細く見えます」「絵に一見して分かるストーリーをつけてみてはどうでしょう」

この手の「添削」を名乗る系だと「そりゃあんたほど研鑽を積んだ人ならそう描けるだろうけどさ…」って結果だけをポンとお手本として出してくる、結局は添削の名の下に神絵師(日本語でも十本の指に入るうへぇワード)の絵を見たい人向けイラスト本みたいなのが幅をきかせてる中でちゃんと相手の画力やプロ/プロ志望/アマチュア/ちょっとかじった程度などなど絵に対するスタンスも考慮し絵柄に寄り添いつつ、それぞれの持ち味も殺さないよう「ここをこうするだけでまとまりが良くなるよ!」「パースはこう取るとダイナミックになるよ!」「ここはこう描くと伝えたい意図が明確になるよ!」といちいち最低限の労力で最大限の効果を引き出す、要は「ちょお上手いアニメーターによる作監修」の説得力が全ページ押し寄せてくる本です。

パースついた人体の描き方わっかんね…とか、一見すると全体的にまとまってるんだけどまとめる過程でラフ段階の魅力が失われてる…とか、ちょい絵を描いたことのある人なら誰でも一度は味わったことがある壁にまさに今ぶち当たってる人へ手を差し伸べ導いている様子をつぶさに見られる良書でありました。

で。
せっかく上手くなった気がするならちゃんとそれを踏まえて手を動かさなきゃと思って(仕事キャンセルになってヒマだったし)この数日はもちもちとおえかきしておったわけです。

いつもより真面目に服のシワを追いかけようとか、あんまやらないツヤベタもやってみようとか、鉄柵を少し高めにすればちっちゃい子に見えるかなとか。

50mm標準レンズのポートレートなら膝のパースはこれぐらいかなとか、雨天の被写界深度こんな感じかなとか。シャニのキャラは表情の機微が似せるの難しい。

そろそろ真面目にクリペ覚えなきゃ…ついでに最近流行りの塗りも少しずつ取り込んでいかなきゃ…とか、あっここの縁飾りはあえて光らせた方がかっこいいぞ!とか。

とりあえず今まで描き飛ばしてた部分をもう1~2段階追い込む修行にはなったというか、以前はひと晩寝かせないと気づけなかった違和感や「なんか足りなくない?」に辿り着く時間がかなり短くなる程度に客観視できるようにはなった気がするよ。
自分の絵に何かしらの行き詰まりを感じてる人バイナウ!

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