カテゴリ:フィギュアとか

COMITIA90の予定"|Syndicate this site(XML)|猫鯖コンペ・Part1"

ある意味お墓参り的な若葉模型行

16日に上石神井へ行ってまいりまった。
目的はもちろん裸族たんの作品が常設展示されている唯一の地「若葉模型」を訪ねること。新刊のないコミティアよりこっちのほうが今回の上京のメインイベントだったと断言できる(すんなよ…)。

というわけでやってきました西武新宿線上石神井駅。
地図によると目指すお店は線路沿いに見える整骨院のすぐそば、歩いてわずか数分みたい。
駅からのびる商店街をてくてく歩いて路地へ入ると、あったあった。

住宅が建ち並ぶ中に唐突に、ほんとに唐突にポツーンと。
こんな昔ながらの「町の模型屋さん」が郊外とはいえ未だに現存してるところに軽い感動すら覚えるね。

ああ、いるいる。
サイトで見てたあの完成品たちがまさしく目の前のガラス越しに。

心の中で手を合わせ、店内へ。
以下の写真はすべてクリックで拡大。

なにも買わずにってのも失礼なので、ちょうど切らしかけていたスーパークリア?Vをひとビン購入。
「実は裸族さんの友人だった者なんですが…」と切り出したところ、店主さんは快くお話に応じてくださいました。

訃報を知られたのは17日頃、すでに裸族たんが荼毘に付されたあとのことだったそうですが、容態が崩れる直前の5日頃にも来店していたのでまさかの感もあった、と。ただその時には元気ではあるけどかなり声が出てなかった様子で心配はされていたようです。
モデラーとしての知名度には詳しくなかったけれどスラッシュリッパーの作例が電ホビに掲載されたことなどはご存じだったそうで、命日の直後に店外で撮影している人を見かけ「ファンの人が撮影しに来たのかな」程度に思っていたら…って感じだったとか。

葬儀の後にはお母さんがご挨拶に来られ、闘病中の様子などもいろいろと教えていただけたそうで。
Ma.Kの新製品が発売されても自分で買いに来られなかった時にはお母さんに代理購入を頼んでいて、その時には「買いに来るのはいいけど自腹切らされるんだからあんまりいっぱい買わせないで欲しいわヽ(`Д´)ノ」とか愚痴をこぼしていらしたとか。

亡くなってからしばらくは首都圏を中心にあちこちからファンだった人達が本人との面識の有無を問わず来店してた模様。みんな残念そうで、そんなところからもらーたんの人望の厚さが伝わったんじゃないかと。

「幕張のイベント(時期的にトレフェス?)帰りに大阪から寄ってくれたグループのお客さんもいたんですけど、カメラ担当の方がうっかりバッテリーを切らしちゃったらしくて、撮影できずに肩を落として帰っていかれたりもしましたね」

「ネットも少しは見るけど模型関係の情報収集を特にやっていたわけでもなかったので、本人との会話からフィギュアもやる人だとは知っていたけどまさか魔改造とは思いもよらなかったです。うちじゃガレージキットは扱ってないし、どうせ展示するならプラモの方がいいだろうと持ってきてくれてました」

「病状のお話は本人から聞いてました。検査入院で半年かかると聞いた時は(えっそれって長くない?大丈夫かなあ…)と。」

「マシーネンも最後までいっぱい同時進行でやっておられましたよねえ。病室では模型とPCまでは許してもらえても塗装ができないのが歯痒い様子でしたよ。海外の塗料で臭いのないのがあるとかで、それなら使えるかもしれないから今度試してみたいって言ってました」

「技術云々はさておき、もっとも充分に上手なんですけど、作品からも本人からも"こう作りたい"っていう情熱をまず感じますよね」

「抗ガン剤の副作用で両手の震えが止まらない、って困ってましたねえ。でもこのテムジン持ってきた時はそんな状態でも展示前の修正やってて、すごいなあって」

「とにかくすごいスピードで完成させてたんでビックリしました」

「作例掲載後にこれを見た人が売って欲しいと言ってこられたことがあったんですけど、普段は温厚な人なのにその時だけは随分エキサイトしてらっしゃいましたね。金を出してもそういうのが欲しいんなら製作代行いくらでもいるからそっちへ当たってくれ、と」

「欲しい人がいるなら売ってしまえばそのお金で新しいの買えるのに…ってお母さんなんかもおっしゃってましたけどね。そういう問題じゃないんでしょうねえ」

「あ、でも『ママンが勝手に捨てるヽ(`Д´)ノ』とかいうのはあの子がおもしろおかしく書き立ててるだけですよ!いわゆる普通の"息子の趣味が理解できない女親"なんですよ!って。いずこも同じですよねー」

いつしか話題は昨今の模型店事情などにも及び。
以前は2〜3駅離れた場所にも(隣駅の上井草にはサンライズもあるので)同様の模型店がいくつかあったけど、今では沿線で残っているのはここぐらいのものだそうです。
うちの実家の近所にあったお店ももう10年以上前に畳んじゃったしなあ。

「でもねえ、今の小学生にとってもガンダムっていうとファーストなんですよね。せいぜいZZぐらいで。ダブルオーやSEEDなんか見向きもしません」

「ミニ四駆も親子でガーッと盛り上がりましたけど、子供が大きくなっちゃうともうサッパリ」
…うーん、やっぱりそうなのかあ。

「模型以外にも娯楽が沢山ある今は買ってすぐに遊べるものじゃないとダメなんでしょうね。溶剤は親御さんにも敬遠されますし。塗料はもちろん最近ではガンダムマーカーでも嫌がられちゃうんですよ」
模型を組むのも立派な遊びだと思うんだけど、それ自体がまず「余計な作業」と認識されてしまってるってことなのか…。

けどそのぶん裸族たんをはじめ「手を動かすことの楽しさ」を啓蒙する活動は以前よりも盛んになってる気がするのよね。fgなんかもその意義は高いと思うわけですよ。

「模型=設備投資がバカにならない」の図式もバンダイは多色成形やスナップフィット、さらにはニッパー不要のゲートなんてものまで開発して払拭しようとしてることだし。
人によっては行きすぎた甘やかしと反発するかもしれないけど、よくよく考えたら自分もニッパー使いだしたのなんてたぶん小学5年か6年ぐらい。それまでは家の裁ちバサミとか、ハサミが見つからない時は普通に手でもぎ取ってたもん。こうゲートんところでパーツねじって。みんなそんなもんじゃなかった?
要は道具の善し悪しでもなければ有る無しでもなく、作りたい気持ちになるかならないかだと思う。

「近所の学校に模型部もあったようなんですけど、顧問の先生もただ顧問やってるだけで作り方を指南したりしていたわけじゃなかったらしいんですよ。それで作る云々よりも高いモノ自慢になって、そうなると親もいい顔しなくなって、でそのうち廃れてしまって」

やってみるとおもしろいんだぜ、こうやるとうまくいくんだぜ、っていうのはやっぱり友人同士の輪の中が一番伝わりやすくて、でも今はその環境自体が貴重なのかなあ。
体感したことのない情報ばかりが先走るのはいいことじゃないよねえ…なんてなことも思ったり。

とまあそんな感じですっかり長々と話し込んでしまいまった。まったく塗料ひとビンでどんだけ粘るんだこの客は。でもなんだか店主さんはまだまだ募る話があるといった様子で、そのお話しぶりからもさぞかし裸族たんとはいいお付き合いだったんだろうなあとしみじみ感じたですよ。そうそうらーたん、『魔改造への招待』も買ってくださってたよ。

そういえば店主さんは追悼コンペを2MCのことと勘違いされていたみたいで、そこを正せただけでも収穫でした。何はなくともモリナガ・ヨウさんのあのイラストだけは是非とも見ていただきたいことだし。

興味深いお話だけでなくお茶までご馳走になってしまって恐縮です。お相手いただいて本当にありがとうございました。

撮影中、お店の奥からこんな物を出してきて見せてくださいました。裸族たんの文字だ!

スラッシュリッパー&テムジンのポーズ変更用手首と武装!
あーここ真鍮線接続に置換してるのかあとか完成品ではわからないところまでじっくり見られたです。

そしてさらに
「これはまだ誰にも見せてないんですけど…」と持ってこられたのは…

「師匠のDNAです」

毛!?Σ(゚Д゚)

作品の梱包に紛れ込んでいたのを保管してあったんだそうです。やったね!これで貴重なペドマカイザーの情熱ばかりでなく遺伝子もが後世に遺るよ!

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